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食道/胃の病気

逆流性食道炎

盛岡市で胸やけ・喉のつかえ感は当院へ

逆流性食道炎は「胃酸が食道に逆流して起こる病気」です。以下にその主な症状、原因、検査方法、治療法について説明します。

逆流性食道炎の症状

  • 胸焼け
    胃酸が食道に逆流することで胸部に痛みや不快感が生じます。
  • 喉の違和感
    喉がつかえる感じや、異物感を感じることがある。
  • 咳や喉の痛み
    食道の逆流によって喉に痛みや咳が生じることがある。
  • 声のかすれ
    食道と喉の炎症が声帯に影響を及ぼすことがある。
  • 吐き気や嘔吐
    重症の場合、吐き気や嘔吐を伴うことがある。

逆流性食道炎の原因

下部食道括約筋の機能不全
正常時は食道と胃の境界で胃酸の逆流を防いでいるが、機能が低下すると胃酸が逆流しやすくなります。

胃の過度の膨張
過食や食後すぐの横になる行為が胃の圧力を高め、食道への逆流を促します。

妊娠中のホルモン変化
妊娠中はホルモンの影響で下部食道括約筋が緩むことがあります。

肥満
体重が増加すると腹部の圧力が高まり、食道逆流が起こりやすくなります。

逆流性食道炎の検査診断

胸やけや喉がつかえる感じがするという方は、一度検査をしてください。逆流性食道炎と診断されれば、適切な治療を受けることができるだけではなく、症状の似た別の病気かどうかを確かめることができます。

たとえば「のどがつかえる感じ」という症状をひとつとっても、食道がんや胃炎、気管支喘息などでも同様の症状がみられます。

逆流性食道炎の検査診断は主に以下の3つです。

  1. 問診
  2. 胃内視鏡検査
  3. 酸分泌抑制薬による診断

自覚症状を調べる問診は、逆流性食道炎の診断ではとても重要です。症状の有無のほか、食事との関連、胃薬の服用効果、お腹を圧迫することによる影響、症状の不快感の変化などを確認します。

胃内視鏡検査は、いわゆる胃カメラです。正式には「上部消化管内視鏡検査」といいます。細い管を口か鼻から挿入して、食道や胃の内部状態を確認します。

酸分泌抑制薬は、胸やけの症状があっても内視鏡検査で異常が見つからない場合や、内視鏡検査ができない場合、あるいは問診でほぼ診断がついた場合に行われます。治療に使われる酸分泌抑制薬を7日間試しに服用して、症状が改善するかどうかを調べます。症状が改善すれば、逆流性食道炎の可能性が高いと診断されます。

逆流性食道炎は生活習慣の改善や適切な治療によって症状を大幅に改善することができるため、症状がある場合は早期の相談が推奨されます。

機能性ディスペプシア

盛岡市でみぞおちの痛み・不快感は当院へ

みぞおちを中心とした上腹部に現れる胃もたれや痛み、食後膨満感などの不快症状をディスペプシアといいます。機能性ディスペプシア(FD)とは、症状の原因となる疾患がないにも関わらず、慢性的にディスペプシアを呈する病態をいいます。

機能性ディスペプシアの発症要因

症状の原因となる器質的、全身性・代謝性の病気がない場合でも、いくつかの発症要因が考えられています。

  •  遺伝的要因、家族歴
  • 喫煙、過度なアルコール摂取
  • 食生活
  • 腸管感染症
  • ピロリ菌感染

などがあれがれます。

様々な要因が複合的に重なって、消化管の近く過敏を起こして、症状が招くと見られています。

また、症状が出たり治ったりと不安定な状態が続く場合は、ストレスや不安感などの精神的な影響も大きく影響すると考えます。

機能性ディスペプシアの検査診断

問診によって機能性ディスペプシアが疑われたら、まずは身体所見や血液検査の結果に異常がないことを確認します。

生活習慣の改善で症状が軽減されなければ、内視鏡検査を実施します。内視鏡検査(胃カメラ)を行うことで、食道炎や消化性潰瘍、胃がんなどの器質的な病気を除外することができます。必要に応じて画像診断も行います。

各検査によって疾患の可能性がない場合は、機能性ディスペプシアと診断できます。

機能性ディスペプシアの治療と予後

機能性ディスペプシアの治療は、食事や生活指導とともに薬物治療を継続します。薬物治療の第一選択となるのは、胃酸分泌抑制薬、消化管運動機能改善薬です。

症状を抑えて、問題なく日常生活を送ることができるようになるには、生活習慣の見直しも重要です。食事の管理(摂取のスピード、不規則な食事時間、飲酒習慣など)を徹底し、ストレスや睡眠不足などの誘発要因をできる限り避けていきます。

胃炎

盛岡市で胃の痛み、食欲不振は当院へ

胃炎は、胃の粘膜に炎症が生じる状態です。胃炎には慢性胃炎と急性胃炎があります。慢性胃炎は徐々に発症し、長期に渡って継続します。一方、急性胃炎は突然発症し、比較的短期間で回復することが多いです。いずれも胃の粘膜に炎症が起こるという点では共有しています。

慢性胃炎と急性胃炎はその原因が異なりますので、どちらの状態においても適切な診断と治療が重要です。症状が長引く場合は、突然辛い症状が出たという方は早めに相談してください。

胃炎の症状

  • 上腹部の痛みや不快感
    →特に食後に感じることが多いです。
  • 吐き気や嘔吐
    →胃の炎症によって起こります。
  • 食欲不振
    →胃の機能が低下することで、食欲が減少します。
  • 胸やけ
    →胃酸の過剰分泌によって起こることが多いです。
  • 膨満感
    →それほど食べていないのに、すぐにお腹がいっぱいになったように感じます。

胃炎の原因

  •  ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
    →慢性胃炎の一般的な原因となるのがピロリ菌感染です。
  • 長期的な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用
    →薬剤の影響で胃粘膜が傷つき、急性胃炎が起こる場合があります。長期的な使用で慢性胃炎が起こります。
  • ストレス
    →過度のストレスは胃粘膜の炎症を引き起こすことがあります。
  • アルコールの過剰摂取
    →胃粘膜を刺激し、炎症を引き起こす要因となります。
  • その他の要因
    →喫煙、特定の食品や飲料の過剰摂取なども胃炎の原因になり得ます。

胃炎の検査方法

  1. 胃内視鏡検査
  2. ピロリ菌検査
  3. X線検査(バリウム造影)

が一般的な検査方法となります。

胃内視鏡検査(胃カメラ)で胃の粘膜を直接観察し、炎症の程度や原因を特定します。また、胃炎の発症要員となるヘリコバクター・ピロリ菌の検査も行います。呼気テスト、血液検査、便検査、生検を通じて感染の有無を確認することができます。必要に応じて、X線検査(バリウム造影)を実施します。胃の形態や動きを観察するのに有効です。

胃炎の治療法

  1. 食生活の改善
  2. 薬物療法
  3. ストレス管理

胃炎の原因によって異なりますが、主に上記の治療を進めます。

胃の状態を良好にするためには、食生活の見直しが大切です。辛い食べ物やアルコールの摂取を控えるなどの食生活の改善を図ります。

薬物療法は、胃酸の分泌を抑制する薬剤の使用する場合があります。また、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が認められた場合は、抗生物質を用いた除菌治療を行います。

胃炎を治すには、ストレスの管理も重要です。ストレス軽減のための生活習慣の見直しを図りましょう。

胃炎は、適切な診断と治療によって症状の改善が期待できるため、胃に痛みや不快な症状がある場合はなるべく早めに受診してください。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

盛岡市で食後や空腹時の胃の痛みは当院へ

潰瘍(かいよう)とは、粘膜などの組織が傷つき、表面がえぐれて深い傷になる病状を指します。潰瘍は体の様々な部位に発生することがありますが、特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍がよく知られています。

胃の内壁に発生する潰瘍を胃潰瘍といいます。十二指腸潰瘍は、小腸の一部で胃から続く約30センチの部分にある十二指腸にできる潰瘍です。ともに組織の表層だけでなく、深い層にまで及ぶ損傷が特徴です。表面が深く損傷しているため、治癒には時間がかかります。また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発しやすい傾向にあります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因

胃潰瘍・十二指腸潰瘍にはさまざまな原因が考えられます。

  1. ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
    ピロリ菌は胃酸の中で生き延び、胃と十二指腸の粘膜を傷つけることができます。ヘリコバクター・ピロリは慢性的な炎症を引き起こし、結果として潰瘍を形成することがあります。
  2. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用
    関節リウマチなどの治療でNSAIDsを長期間使用すると、胃と十二指腸の粘膜を保護するプロスタグランジンの生成を阻害します。これにより、粘膜が胃酸のダメージに対して脆弱になり、潰瘍が形成されるリスクが高まります。
  3. 喫煙
    喫煙は胃酸の分泌を増加させ、粘膜の修復を妨げることがあります。これにより、潰瘍のリスクが高まります。
  4. 過剰なストレス
    身体的または精神的なストレスが胃酸の過剰分泌を引き起こし、十二指腸の粘膜にダメージを与えることがあります。
  5. アルコールの過剰摂取
    アルコールは消化管の粘膜を刺激し、炎症や潰瘍を引き起こす可能性があります。
  6. 遺伝的要因
    家族歴や遺伝的な要因も、胃潰瘍・十二指腸潰瘍のリスクを高めることが示唆されています。

これらの要因が組み合わさることで、胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍が形成されます。症状が現れた場合、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の検査診断

潰瘍があるかどうかは、内視鏡検査だけで確定できます。さらに原因を知るための検査が重要です。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用の有無を確認するとともに、ピロリ菌の検査も欠かせません。ピロリ菌検査は尿素呼気試験や血中抗体測定など体に負担をかけない検査方法に加え、内視鏡検査時に組織の一部を採取して生検も実施します。悪性腫瘍(がん)や自己免疫性胃炎など、ほかの疾患との鑑別のためにも生検は重要です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療

ピロリ菌感染が認められたら、除菌治療を最優先で行います。除菌できれば潰瘍も改善しますが、中には耐久性のある菌もあり、100%除菌できるとは限りません。その場合は、再度除菌治療を行います。

NSAIDsによる潰瘍であれば、薬を中止して他の薬剤に変えると改善されます。

ピロリ菌感染、NSAIDsの使用、いずれにも当てはまらない場合は、胃酸の分泌を抑制する薬剤(PPI:プロトンポンプ阻害薬、P-CAB:カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)を使用します。潰瘍は胃がんへ進展する場合があるため、それを予防するためにも、同じく胃酸分泌抑制作用のあるH2ブロッカーなどを継続します。

胃がん・食道がん

胃がんとは

胃がんは日本人の男性に最も多く見られるがんです。40歳代後半から急激に増加し、高齢になる程、その発症リスクは高くなります。罹患者の多いがんですが、早期胃がんであれば治癒率は90%を超えるとされています。

胃がんは胃の粘膜に発生します。最初はほんの小さながん細胞ですが、胃壁に入り込んで徐々に広がって行きます。がん細胞が広がることを浸潤(しんじゅん)といい、その広がりの程度を進達度といいます。この進達度によって、胃がんのステージが決まります。

胃がんの原因

慢性胃炎を患っている粘膜が、がん化しやすいといわれています。長く炎症が続いていると、細胞が傷つきやすく、変化しやすい環境にあります。そのため、慢性胃炎を引き起こす要因が、胃がんの危険因子といえます。

慢性胃炎は

  • ピロリ菌感染
  • 喫煙
  • 塩分の摂りすぎ

などが要因としてあげられます。

胃がんが進行すると、

  • みぞおちの痛みや違和感
  • 貧血
  • 出血
  • 嘔吐
  • タール便(黒っぽい便)

などの症状が現れます。

胃がん初期の段階では症状もほとんどありませんが、胃炎の症状がある方はなるべく早めに受診してください。

食道がんとは

食道は咽頭(のど)から胃の入り口までを結ぶパイプ状の臓器です。この食道にできるがんが、食道がんです。食道がんの発症率はそれほど高くはないものの、他の器官に転移しやすい特徴があります。

食道はパイプ状の細長い器官であり、がんがある位置によってがんの性質が異なります。

頸部食道がん 食道の入り口部分にできるがんで、咽頭や喉頭などにもがんが広がりやすい傾向にあります。
胸部食道がん 頸部食道の下から横隔膜まで約20cmほどの範囲にできるがんです。食道がん全体の半数近くが、この胸部食道がんです。
腹部食道がん 横隔膜の下から噴門(食道の下端、胃の入口)まで約2cmほどの範囲にできるがんです。近年、増えているがんのひとつです。

食道がんの症状

早期の食道がんは、ほとんど症状が現れません。なんらかの症状がある場合は、すでにがんが進行している可能性が高くなります。早期がんで無症状のうちに見つかれば治りやすいことも多いため、定期検診はとても重要です。

症状が進行すると

  • 熱いものや酸っぱいものがのどにしみる
  • 飲み込む時に違和感がある
  • 食べ物が喉や胸につかえる感じがある

などの症状がみられます。

しかし、似たような症状を示す病気はたくさんあるため、まずは一度検査をすることが大切です。

食道がんの原因

本来、がんとは異常な細胞が増殖を繰り返し、正常な組織を侵していく病態です。がんを生み出す要因の多くは、生活習慣の中に潜んでいます。中でも喫煙習慣のある方や、お酒をたくさん飲むという方は注意が必要です。喫煙とアルコールの過剰摂取は、食道がんと大きく関係しています。

そのほかにも、長引く食道の病気が、食道がん発生の素地を作ってしまうことがあります。バレット食道という粘膜異常や、逆流性食道炎を患っている方は注意が必要です。いずれも、荒れた粘膜からがんが発生する危険性が高まります。

これらの病気を早期発見することが、食道がんの予防に繋がります。定期的に内視鏡検査を受けるようにしましょう。